【FX】リオン式はどんな通貨ペア、取引時間でも通用する

私は TYO(東京)時間、 ポンドオージー(GBPAUD)のショートだけで普段トレードしていますが、通貨ペア、取引時間、ショートかロングかの 3つについて、どれを選んでもリオン式は通用します。 

例えば、日頃仕事で忙しい方は、帰宅した夜 21 時 ~ 0 時くらいの NY 市場オープンの時間帯しか FXのトレードが出来ないという人も多いですよね。 

また TYO(東京)時間は値幅が出ないので難しいという理由で、値動きが大きくなる夕方の欧州市場オープンの時間帯を狙って小ロットで、

という方、「何か『円』 とつくものが好き」という方など、時間も通貨ペアも色々な組み合わせがありますよね。 

為替の世界で基軸通貨といえば 米国ドル。  ユーロドル(EURUSD) ドル円(USDJPY)以外では ポンドドル(GBPUSD)も値動きが豊富で魅力的な通貨ペアです。 

ロングとショートについても、天地を逆さにすれば、それはロングで成功しやすいポイントになります。 

通貨ペアごとに値動きには微妙な差があって、「上昇はじわじわゆっくり、下落はドカンストン」という場合もあれば、

逆に 2022年 3月から 10月の ドル円(USDJPY)のように「上昇はドカン、下落はじわじわ」という場合もあります。 

1ドル 145 ~ 150円台の円安を 阻止[そし]
自分たちにとって好ましくないことが行われないようにじゃまをしてやめさせること
저지
するために 2022年 9月 ~ 10月に政府・日銀が24年ぶりの大規模なドル売り・円買い介入を行い、12月には長期金利の実質利上げに踏み切りました。 

米国の中央銀行にあたるFRB (連邦準備制度理事会) の利上げ打ち止め観測も出ています。 

そのため、 ドル円(USDJPY)は 2023年に入っても上にも下にも 激しく[はげしく]
격렬하게
動いていて、「キミはいったい誰?」みたいな状態になっています。 

そこで、他の通貨ペアでもリオン式を使ってもらうために、第5章では ドル円(USDJPY) ユーロドル(EURUSD)という 2つのメジャー通貨のトレードプランを具体的に解説して行きます。 



【FX】USDJPYの上昇トレンドをロングで狙う方法とは?

2022年 3月までの ドル円(USDJPY)は長年、 

安値 100円台、高値 115円台という狭い Zone でレンジ相場が続いてきました。 

しかし、2022年 3月から 10月は日米金利差の拡大や世界的なドル高トレンドの影響を受けて、力強い上昇トレンドが続きました。 

レンジ相場で推移[すいい]
추이
しやすい通貨ペアと、力強いトレンドで動く通貨ペアではトレード方法も少し違ってきます。 

まずは 2022年 3月から 10月に、急激[きゅうげき]
급격한
な上昇トレンド相場に移行した ドル円(USDJPY)について考えてみます。 

図5-1 は 2021年 8月から 2022年 11月までの ドル円(USDJPY)の日足チャートです。  

前半の横ばい相場から後半は 激しい上昇相場に雰囲気がガラリと変わっているのが分かります。 

図5-1 : 2022年の歴史的な ドル円(USDJPY)上昇相場の日足チャートとMA

2022年 3月以降は強い上昇相場だったわけですから、 ドル円(USDJPY)ロングに絞って取引するのが、結果的に 2022年で利益を一番出しやすい通貨ペアと方向だったと言えます。 

図5-1 右側の上昇トレンドの局面を見ると、ローソク足が 週足ミドル を下に割り込んだことは一度もありません。 

週足ミドル タッチでロングエントリーすれば、中長期投資でも慕大な利益を得ることが出来ました。 

これだけ上昇が続いているわけですから、第2章 や 第3章 で指摘したショートで狙えるポイントを 180度正反対 にすれば良い。 

すなわち、

  • ● 4時間足 や 日足、週足チャート上の重要な安値ライン や サポートラインまで 下がったところでロング
  • ● ダブルボトム、トリプルポトム、逆三尊など大底圏での上昇転換を示すチャートパターンでロング
  • ● 4時間足ミドル、日足ミドルがもし上値にあれば、そこを上に超えたり、超えた後、リバースタッチしたところでロング
  • ● キリ番や1時間足ミドル超え & リバースタッチの再上昇でロング
  • ● 上昇が続く間は出来るだけ利を伸ばす。 トレンドが非常に鮮明なので利確を焦らなくても大丈夫

という感じでしたね。 

具体例を見て行きましょう。 

図5-2 は 2022年 10月 21日の深夜 23時から  22日 0時頃に NY 市場で政府・日銀がドル売り円買い介入を行った 

翌週、10月 26日 から 28日にかけての 5分足チャートです。 

図5-2: 為替介入直後の安値を目安に ドル円(USDJPY)をロングする方法

一時 152円寸前[ すんぜん ] と読みます。
직전
「寸前」の意味は、ほとんど同時といってよいほどわずか(=寸)の前。直前。
」まで上昇した ドル円(USDJPY)は、介入によって 145 ~ 146円台まで下落。 

その後、149円台まで反発しましたが、

2022年 10月 27日には介入でつけた安値を割り込み、その近辺で 揉み合う[もみあう]
相場が小刻みに高下を繰り返すこと
展開
になりました。 

10月 21日 深夜 の 介入時に一時的につけた 2つの 安値ライン A安値ライン B を 4時間足で探して、5分足チャートにも反映しています。 

ロングでエントリーするなら、介入直後の安値は重要なサポートラインになるはずです。 

実際、 のポイントでは、介入時の 最安値ライン A を割り込んだものの反転上昇しています。 

その後、 のポイントで日足ミドル跳ね[はね] 、跳ね返される 
⇒ 依頼や要求に取り合ってもらえないこと。
はね返される
返されて下落。 

1時間足ミドルを割り込んだ後、 Zone できれいなダブルポトムをつけています。 

ドル円(USDJPY)の 5分足チャートをさかのぼって見て行くと、こういった非常にきれいなダブルトップやダブルボトムが目立ちます。 

③の Zone で、2つ目の 安値 a が出現してダブルポトムが完成しそうになったところを先回りして、早仕掛けのロングエントリーが出来そうです。 

その場合、ストップロスは介入直後の安値ライン A の少し下に置きます。 

利益確定の目安は上値にある 1時間足ミドル (安値 から 約 50pips 上)、 さらにその上の 日足ミドルまで伸びれば 約 120pips の値幅があります。 

21日の介入 安値ライン A で損切り、日足ミドル で利益確定に目標設定すると、かなり リスクリワードの良い取引が出来ます。 

図5-3 底値[そこね]
바닥값
圏でタダブルボトム形成後のロング戦略

図5-3: 底値[そこね]
바닥값
圏でタダブルボトム形成後のロング戦略

図5-3 はダブルボトム以降の 5分足チャートを拡大したものです。 

日本時間 28日深夜 0 時 30 分にダブルボトムの 2度目の安値をつけて以降の買いポイントを示しました。 

  • ① ダブルボトム 第2安値の 2度目の下ヒゲ
  • ② 200sma に弾かれて下落した後、再び 200sma を超えて上昇したところ
  • ③ その後、下落したものの、ダブルボトムのネックライン A や キリ番の 1ドル 146円に リバースタッチして(実際は少し割り込んでいる) 上昇を始めたところ
  • ④ 1時間足ミドルを完全に超えて、その上の 75sma を上抜けたところ

TYO(東京)時間の 2022年 10月 28日 朝7時以降の値動きが 図5-4 になります。 

図5-4:   強い上昇相場を順張りロングでトレードする方法

日本の投資家が取引しやすい時間でもロングエントリーが出来そうなポイントがたくさんあります。 

① ローソク足が集束した SMA の束を超えて上昇したところ。 ここから 上ヒゲ高値 a まででも 50pips 以上 あります。 

介入後ということもあって値動きが大きめになっています。 

その後、10月 28日 昼の 11時 50分から 11時 55分には 上ヒゲ陽線、 

下ヒゲ大陰線が出て相場が 乱高下[らんこうげ]
相場などが短期間のうちに激しく上下に動くことを意味します。
していますが、これは日銀の金融政策決定会合の結果発表があったためです。 

その発表前後は取引を見送るとしても、

② 金融政策決定会合の結果発表で 乱高下[らんこうげ]
相場などが短期間のうちに激しく上下に動くことを意味します。
した時の 安値 b 近辺 まで再度下落したものの、下ヒゲ c で反発した地点

など、取引できそうなポイントはあります。 

③の急騰局面の号砲となる 大陽線 d は日本時間の 28日 15時 45分に出現。 

EU(欧州)時間が始まったことで急に値動きが活発になり、その後、 ドル円(USDJPY)は急騰。 

上値の日足ミドル4時間足ミドルを超えて、 高値 e まで、 大陽線 d の始値から実に 150 pips 以上も上昇しました。 

自分が取引する時間もしっかり決めて、その時間帯の値動きに慣れると、さらに精度が上がります。 



【FX】ショート狙いなら USDJPY でも変わりなし

ドル円(USDJPY)ロングの取引ポイントについて見て来ましたが、ロングでもショートでも基本的ながエントリーの仕方にあまり変わりはありません。 

通貨ペアごとの癖はあるかと思いますが。 

図5-5 は 2022年 11月 15日の日本時間 16時前後の ドル円(USDJPY)急落で、実際にリオンがトレードした例です。 

本書 執筆[しっぴつ]
文章を書くこと。筆をとって文字を書くこと。
집필、쓰기
のため、 ポンドオージー(GBPAUD) ドル円(USDJPY)を同時並行でショートしてみました。 

図5-5 :  ドル円(USDJPY)とがンドオージーを周時にショートした実践[じっせん]
実際の情況のもとでそれを行うこと。
실천

2つとも同じタイミングで急落しているのが分かります。 ただ人下落幅は ドル円(USDJPY)のほうがはるかに大きく、2ロット (20 万通貨) のショートで 200pips 以上獲得できました。 

MA の形状を見ると、 ポンドオージー(GBPAUD)は当初、SMA が全て右肩下がりで、上値の 1時間ミドルまで戻ったものの、そこから再び急落した形になっています。 

いわゆる戻り売りのショートになりました。 

一方、 ドル円(USDJPY)4時間足ミドルが上値にあって下降トレンドですが、SMA は短期的に上向き。 

ただ、20sma から 200sma1時間足ミドルまでが狭い値幅に集まり、MA の集束が発生。 上昇局面の安値を結んだサポートラインを割り込んでいました。 

図5-6図5-5 のトレード前後の ドル円(USDJPY) 5分足チャートにエントリー根拠を書き込んだものです。 

図5-6 : 下降トレンドの上昇 ウェッジWedge

쐐기
でのショート戦略

画面左側の Zone では、週足ミドル超えに 2度上トライして失敗し、ダブルトップが形成されています。 

しかし、そのまま急落とはならず、上向きの 1時間足ミドル にサポートされる形で反転上昇しています (Zone )。 

しかし、ダブルトップの中間安値とその後の安値を結んだ旧サポートライン が レジスタンスライン A に転換して、2度 リバースタッチ () が発生しています。 

の形は右肩上がりのダブルトップになっており、そのネックライン (中間安値) を割り込んだこともあって、 

ショーターのリオンには下落しそうな雰囲気が分かりました。 

200sma1時間足ミドルが上向きから横ばぱいに転じ、MA の集束が始まっていて、このあたりで心の準備を始めます。 

上昇局面の安値同士を結んで サポートライン B を引くと、急落前のチャート形状は中段保ち合い型の 「ペナント」 もしくは 「上昇 ウェッジWedge

쐐기
(下落を示唆[しさ]
直接的に指し示すのではなく、間接的にそれと判断されるような形で(多分に断片的に)手がかりを提供すること。
제안
) の形状になっています。 

その下値サポートライン や 1時間足ミドルを割り込んだ後、いったん戻り高値をつけた 上ヒゲ a で 15時 20分頃にショートエントリーしました。 

まだ MA は集束したままで拡散していませんでしたが、上昇局面での右肩上がりダブルトップ完成に加えて、中段保ち合いのサポートライン割れもあり、多分、落ちてくれるだろうなと思っていました。 

その後、 ドル円(USDJPY)は急落。 

大陰線を連発した後、揉み合い[もみあい]
相場が小刻みに高下を繰り返すこと
に転じた 16時 40分に利益確定しました。 

ショートエントリー 直後には 集束した MA の下向きの拡散も始まっています。 それを見越したエントリーとなりました。 

ドル円(USDJPY)でも ポンドオージー(GBPAUD)でもそんなに変わりはないですよね。 

リオン式はとてもシンプルなので、通貨ペア、ショート・ロング、どの形でも大丈夫です。 



【FX】各通貨ペアの取引量はどうなっている?

FXには様々な通貨ペアがあります。 

国際決済銀行 (BIS) が発表した 2022年 4月の 1日当たりの平均取引量・金額では、 ユーロドル(EURUSD)が全体の取引量の 22.7%を占め、

金額は 1兆 7060億ドル (2022年 4月当時の 1ドル 125円換算で約 213兆円。 以下同)に達します。 まさに突出した取引量です。 

次が ドル円(USDJPY)で取引量全体の 13.5%、1兆 140億ドル (約 127兆円) ポンドドル(GBPUSD)が 7140億ドル (約 89兆円)、

オフショア人民元ドルが 4950億ドル (約 62兆円)、カナダドル (米) ドルが 4100億ドル (約 51兆円)、豪ドル(米) ドルが 3810億ドル (約 48兆円) となっています。 

ドル円(USDJPY) ユーロドル(EURUSD) ポンドドル(GBPUSD)と並んで圧倒的な取引量を誇るメジャー通貨です。 2022年 9月以降は日本の政府・日銀が大規模な為替介入に踏み切ったために 乱高下[らんこうげ]
相場などが短期間のうちに激しく上下に動くことを意味します。
しました。 

為替介入が終わった後は再びテクニカルにきちんと反応する場面る多くなってきたように思います。 

ただ、今までとボラティリティが段違い。 動きも速くなりました。 

それは、 ユーロドル(EURUSD)にも言えます。 

メジャーでたくさんの人がトレードするがゆえに引っ張り合いになり、値幅が出ない。 

その弱点を克服 [こくふく]  극복してしまった今、スプレッドも小さい ドル円(USDJPY) ユーロドル(EURUSD)は 是非とも 狙って行きたい通貨ペアです。 

しかし、この状況もいつまで続くか分からない。 

時流に合わせて変化して行く相場に頑張ってついて行きましょう。 

ロングで ドル円(USDJPY)の上昇に乗るためには、どんな Signal(シグナル)を狙えば良いのか。 

図5-7 を見て、ロングするポイント と 根拠を考えてみてください。 

《* 1》 に リオンが考えた見解をご紹介します。 

図5-7 :  ドル円(USDJPY)の値動きやMAを見てロングするポイントと根拠を考えてみよう



【FX】USDJPY ロングでの組み立て方

《* 1》 戻る

図5-7 の についての、リオンの見解を 図5-8 にまとめましたのでご覧ください。 

図5-8 : 図5-7 の のロングポイントと根拠についてのリオンの見解

  • ① 下値で集束した SMA の束 (1時間足ミドル200sma4時間足ミドル) で下げ止まって、 
  • 再び SMA の束を超えて行く動き。 例えば陽線 a の4時間足ミドル突破[とっぱ]
    돌파
    でエントリー
    (①)
  • ② 133円のキリ番前後での下ヒゲ連発や 4時間足ミドル上抜けなどで先回りロング (①)。 
  • 75sma など MAの束を上抜け (②)、レンジ相場に移行後、そのレンジ上限突破[とっぱ]
    돌파
    () など上昇トレンドへの転換の初動を狙ってロング 
  • ③ 200sma での下ヒゲ連発 (①) や ダブルボトムのネックライン突破[とっぱ]
    돌파
    (②)、
  • ネックラインヘリバースタッチした後の反発 (③)
  • ④ ダブルボトムで底打ち後に、MA の束を超えて行く押し目後の上昇の動き。 
  • 直近高値を超えた 陽線 a (①) や 陽線 b (②) で エントリー

図5-7 の ⑤ と ⑥のリオン見解は 図5-9 のようになります。 

図5-9 : 図5-7 ⑤~⑥ のロングポイントと根拠についてのリオンの見解

⑤ 強烈な上昇トレンドが続く中での 138円突破[とっぱ]
돌파
(①)、 

20sma タッチ (②) や いったん割り込んだ後の 20sma 再度上抜け (③) でロングエントリー

2022年 3月から 10月の ドル円(USDJPY)は上昇一辺倒だったため、底値[そこね]
바닥값
圏 や 天井圏でウロウロといった状況はなかなか見つかりませんでした。 

トレンドフォローの押し目買いが一番適していた時期なので、初心者の方でも比較的勝ちやすい通貨ペアだったと思います。 

通貨ペアをひとつに絞ることをまずおすすめしてはいますが、

トレンドがはっきり出た、一番勝ちやすそうな通貨ペアをその時々の相場状況で選ぶ」

というのが実は最強ではないでしょうか。 私がもっと 器用[きよう]
物事、特に細かい仕事をうまくやってのけること。
芸事・工作などをうまくこなすこと
だったら、そうしていると思います。 

⑥ 上昇トレンドが続いている場合は、中段保ち合いからの上放れも重要なエントリーポイントです。 

Zone保ち合い上抜けはEU(欧州)時間開始直前でした。  

その後、 Zone でも保ち合い上抜けが起こっています。 



【FX】上位足ミドルにタッチした押し目でロング

自分が取引したい通貨ペアが上位時間足の MA にどのように反応するかも過去のチャートをさかのぼって見てみてください。 

5分足チャートで取引する場合は、1時間足ミドル から 週足ミドルまでがサポートやレジスタンスとしてよく 効いている[きいている]
効果や効能が表れていること
か、効き方はピッタリかアバウトか、といったことをチェックします。 

5分足チャートの ドル円(USDJPY)は上位足ミドル で ピッタリ下げ止まったり上げ渋ったりする傾向[けいこう]
ある方向・態度に傾くこと。
特に、左翼思想に傾くこと。
추세
が見られます。 

図5-10 は 2022年 7月下旬に米国の景気後退懸念で長期金利が低下し、 ドル円(USDJPY)が上昇相場の調整局面に入った前後の4時間足チャートです。 

図5-10 : 上位足ミドルを使ってロングの Zone トレードを行う具体例

7月 14日に ドル円(USDJPY)139円超え の水準まで 上昇していましたが、8月 1日 朝には 130円台まで下落。 

週足ミドルでほぼ ぴったり止まって ()、上昇に転じしました。 

こういった場面ではリオン式 Zone トレードも使えます。 



【FX】USDJPY 下落後の反転上昇を Zone トレード

図5-10 の ドル円(USDJPY)週足ミドル にタッチした Zone をクローズアップしたのが、図5-11 の 5分足チャートです。 

図5-11 : ロングにおける Zone トレード ドル円(USDJPY)週足ミドル近辺で下げ止まりの見体例

ドル円(USDJPY)は 8月 2日 10時30分に 1ドル 130円 30銭台の 下ヒゲ安値 a をつけて下げ止まって上昇に転じました。 

この場合、まずは下ヒゲ安値 a を下限に、その上方で 2本の下ヒゲが並んだ安値 b を上限にした値幅を Zone と考えます。 

そして、 ドル円(USDJPY)がその Zone に入った後、反転上昇したらロングエントリーする、という Zone トレードの戦略を立てることが出来ます。 

損切りリラインは Zone 下限の下に上位時間足の分かりやすい安値があれば良いのですが、はっきりとしたサポートラインが見あたらないので 下ヒゲ安値 a の 20 ~ 30pips 下に設定します。 

ドル円(USDJPY)ほどの巨大な取引量がある通貨ペアでも、週足ミドル の 存在感 は 絶大で、その後は週足ミドルが上昇を 阻む[はばむ]
막다
レジスタンス として機能しました。 

下ヒゲ ab の安値をつけた後に 上昇したものの、 週足ミドル上ヒゲ数本でタッチ ( Zone ) して 跳ね[はね] 、跳ね返される 
⇒ 依頼や要求に取り合ってもらえないこと。
はね返される
返されます。 

そして、14 時 25 分には設定した Zone の中まで下がって来て 下ヒゲ安値 c をつけました。 

下ヒゲ安値での下げ止まりを確認したところで ロングエントリーします。 

その後、週足ミドルタッチでいったん利益症したとしても 40 pips 前後。 

週足ミドルを完全に突破[とっぱ]
돌파
した 上ヒゲ陽線 d まで頑張れば、60 pip 以上の利益でした。 



【FX】 Zone から上昇トレンド転換へ向かう時のトレードプラン

その後は図5-12 のように横ばいで推移[すいい]
추이
しています (点線の四角①の中段保ち合い)。 

図5-12 : ロングにおける Zone トレード 上昇トレンドへ回帰する局面の具体例

NY時間に入った夜 22時にダブルボトムが完成しそうになった時の陽線 a や次の陽線でネックラインを超えたところ (75sma 超えも重なっている) など、

その後も上昇に向かう動きをとらえたエントリーポイントがあります。 

図のZone では、右肩下がりの1時間足ミドル200sma が、団子状態で推移[すいい]
추이
していた 20sma75sma週足ミドルに加わって、MA が1か所にぎゅっと寄せ集まっています。 

そこから 1時間足ミドルや直近高値ライン A を上抜けた大陽線 b、いったん下落して 1時間足ミドルに下ヒゲがリバースタッチレした陽線 c も上昇トレンドへの転換を狙ったエントリーポイントでした。 

ここからは上昇が鮮明になり、8月 2日の安値から 3日深夜の NY時間にかけて、 ドル円(USDJPY)は 2円以上も上昇しています。 

一晩で 200 pips も獲れるほどの力強い上昇だったので、その分、ロット数を減らしたとしても、 

仮に 200pips x 10万通貨なら 20万円の利益 を得ることが出来ました。 

やはりトレンドのはっきりした通貨ペアはとても獲りやすいのです。 

この時期の ドル円(USDJPY)リオン式 Zone トレードの下ヒゲハントで獲れたなら、とても良いトレードになったと思います。 

ドル円(USDJPY)には ドル円(USDJPY)、クロス円 (米ドル以外の通貨と円の通貨ペア) にはクロス円、ドルストレートにはドルストレートの値動きの癖があります。 

マイナー通貨とメジャー通貨の差、関わる国 (豪ドルの値動きには中国が影響するなど)、ファンダメンタルズの影響なども考慮して行くとなると、やはり、通貨ペさアはひとつかふたつが扱える限界かと私は思います。 



【FX】 ユーロドル(EURUSD)の下降トレンドにトライ

ドル円(USDJPY)以上に取引量が多く、時には大きく 乱高下[らんこうげ]
相場などが短期間のうちに激しく上下に動くことを意味します。
する ユーロドル(EURUSD)。 日本では円安ばかりがクローズアップされていましたが、2022年の FXの一番のトレンドは「ドル高」でした。 

インフレで高金利政策をとり、2022年 6月から 11月に 計4回も 0.75%の 超大幅利上げを続けた米国ドルは、金利差拡大を受けてほぼ全ての通貨に対して上昇しました。 

ユーロドル(EURUSD)も当然、その影響を受けました。 こちらはユーロをドルで売買する取引のため、 ドル円(USDJPY)とは正反対に強い下降トレンドが続きました。 

下降トレンドがどんな値動きになりやすいか、2021年 8月末から 2022年 11月の ユーロドル(EURUSD)の日足チャートを見てみましょう (図5-13)。 

図5-13 : 下上トレンドで起こりやすい値動きの検証

下降トレンドではローソク足を一番下に、長短 MA が右肩下がりで下落して行きます。 

ショートで獲るなら、ローソク足が上値に位置する MA にタッチしたところが狙い目になります。 

画面上では、日足チャートの 75sma週足ミドルが上値抵抗帯になっていて、そこまで戻った①の地点などがショートエントリーの候補です。 

また、下落の過程では、図の中に点線で示した[しめした]中段保ち合いが何度も登場しています。 

その保ち合い下限を視り込んだところもショートエントリーのポイントです。 

また、下落途中でつけた安値ラインに注目すると、いったん安値ラインを割り込んだ後のリバースタッチを根拠にショート出来ます。 

図でいうなら、 の上ヒゲなどが過去の安値ラインに対するリバースタッチになっています。 

下降トレンドの通貨ペアをショートで狙う場合は、

● 上値にある、トレーダーに意識されている MA へのタッチ

● 中段保ち合いのレンジ下限のラインを下へブレイク

● 安値ラインに下からリバースタッチ

といったポイントが、日足レベルでのショートエントリー候補になります。 

そうした日足チャートのターゲットになる「何か」に水平線やトレンドラインを引いて、5分足チャートで具体的なエントリーポイントを探して行きます。 



【FX】中段保ち合いの下値ブプレイクでショートの具体例

例えば、 図5-13 の日足チャート内で起きた上昇 ウェッジWedge

쐐기
形成後の下落局面 () をクローズアップしたのが 図5-14 になります。 

図5-14 : 下降トレンドにおける中段保ち合い・上昇 ウェッジWedge

쐐기
の具体例と基本戦略

この場面で出現した 2022年 3月 30日 から 31日の 陽線 a ⇒ 陰線 b () は、「陰の包み足[つつみあし]と呼ばれる組み合わせです。 

陽線 a で 過去の安値ライン A を突破[とっぱ]
돌파
後に 陰線 b で再び割り込んでいます。 

さらに、「上昇 ウェッジWedge

쐐기
という、くさび形の保ち合い高値を結んだレジスタンスラインにも、上昇が跳ね[はね] 、跳ね返される 
⇒ 依頼や要求に取り合ってもらえないこと。
はね返される
返されています。 

「上昇 ウェッジWedge

쐐기
」は上昇という名前がついていますが、下降トレンドにおいてレートが右肩上がりで先すぼみの上向き三角形のレンジ相場を形成した後、下に大きく下落する時に出来るをチャートパターンです。 

上昇 ウェッジWedge

쐐기
の上限ラインを突き抜けた陰線 b の上ヒゲを仮の最高値 B と想定して、最高値ライン B と過去の安値ライン A の間を Zone と見なし、そこまで上昇したらショートエントリーといった戦略を立てることが出来ます。 

損切りは最高値ライン B かそれよりも少し上。 利益確定は下値に MA が見あたらないため、 

1 ユーロ 1.09 ドル や 1.08 ドルといったキリ番に設定します。 

その後、一度も Zone の中に入ってくるような反転上昇の動きはありませんでした。 下降トレンドが強力だったんですね。 

Zone トレードの次は、これまで下落を止めるサポートだったラインをレートが割り込む動きを狙います。 

例えば、上昇 ウェッジWedge

쐐기
の下限を割り込んだ②、上昇 ウェッジWedge

쐐기
の起点となる 安値ライン C を割り込んだ の ポイントでショートエントリーが出来たと思います。 

日足チャートで見て、長期 下降トレンドが 続いているのは明らかでした。 

そういう時は、反発上昇をなるべく引きつけて入り、その後の下落加速局面で追加ショートを加えて行けば、あまりストレスなくトレード出来ると思います。 



【FX】下降トレンドの ユーロドル(EURUSD)でのロング戦略

ユーロドル(EURUSD)をロングで狙うと決めた投資家には、この下落局面で作くチャンスがなかったのでしょうか?

下降トレンドが鮮明な通貨ペアをあえてロングだけて狙うのは難しかったと思います。 

ただ 2022年 3月から 10月の ユーロドル(EURUSD)は、 ドル円(USDJPY)の一方通行の上昇に比べると、下降トレンドの中での一時的な戻りは大きなものでした。 

大きめの戻り目ならロングも出来たかと思います。 

例えば、先ほどの下落途中に上昇 ウェッジWedge

쐐기
が形成される過程の戻り局面のひとつ (2022年 3月 29日 AM 7時以降) をクローズアップした 5分足チャートが 図5-15 になります。 

5分足チャートで見ると、図の ① の Zone1時間足ミドルを一番下に 200sma75sma20sma4時間足ミドル日足ミドルも加わった MA の大集束が起こっていたんですね。 

これまで大きく下落して来たので MA はどんどん拡散していました。 しかし、数日間の小さな動きで、非常に狭い範囲に集束して来ていました。 

図5-15 : 下降トレンドでロングトレードを狙える場面

この 5分足チャートを見れば、たとえ長期的には下降トレンドが続いていてもロングエントリーを狙いたいですよね。 

横ばいが続いた後、安値を切り上げて上昇が始まり、75sma を飛び超えた②のポイントなどてで打診買いも出来ました。 

結果は最大 17pips 程度上昇しただけで下落に転じて失敗しました。 ただ、ここまで MA が集結していると、集束した MA を上に抜ける動きはロングでも狙える場面です。 

上に抜けてから押し目がぐいっと来ても、MA の東に下から支えられて下に抜けられない。 こういう時に入りたいなと思います。 

その後、ざのポイントでは、3月 29日夕方 18時 5分の大陽線 a で移動平均線の束を全て飛び超えるほど上昇。 

過去の高値が重なったラインAも勢いよく突破[とっぱ]
돌파
しています。 

大陽線 a の実体上辺と過去の高値ライン A の間を Zone と考えて、そこまで戻って来たらロングでも良かったですね。 

結果的には大陽線 a の後、さしたる押し目 (リバースタッチ) もなく一気に急上昇しました。 



【FX】欧州通貨はEU(欧州)時間開始直後の値動きが一番大きい

ユーロドル(EURUSD)はるタ方 16時 ~ 17時のEU(欧州)時間開始直後に大きく動き、その後、18時 ~ 21時ぐらいに第 2波が来ます。 

そして 21時から  23時くらいに米国勢が参加して来ると本格的に動き出します。 

参加人数ではここがビピークになりますので、「激しい値動きで振り落とされそうになる」という感想もよく聞きます。 

ユーロドル(EURUSD)は、ユーロと米ドルの両替ですから、TYO(東京)時間はほぼ動きません。 間違ってエントリーすると、ずっと小さなレンジにおつき合いすることになります。 

日足チャートで下降トレンド継続が鮮明でも、5分足チャートでは、 図5-15 のような底打ち反転から短期上昇トレンド回帰に向かう流れが生まれることもあります。 

通貸ペア特有の時間的な値動きの癖もしっかり把握できていれば、下降トレンドでロングも狙って利益を積み[つみ]重ねることも出来ないことはないと思います。 

ただ、出来ればどちらか一方に最初は絞ったほうがいいでしょう。  2022年の場合 、 ユーロドル(EURUSD)ならショート、 ドル円(USDJPY)ならロングが後から振り返ると正解でした。 

通貨ペアをひとつに絞るなら、「明らかに一方向で手が出せない時は静観する」で良いと思います。 

私も週に 1日か2日は「今日はショート無理」という日があるので、その日はお休み。 見るだけにしてアラートだけセットします。