1-01_【FX】今でも死ぬほど後悔しているブレグジットの取引

2016年 6月 23日、イギリスで EU離脱の是非を問う国民投票が行われ、翌 6月 24日に離脱[りだつ]
離脱(りだつ、英: Withdrawal)
すなわち「ブレグジット」決定が明らかになりました。 

その頃の私は、まだ FXを始めて 3週間しか経っていない初心者でした。 その日は何気なく、ポンド円のチャートを見ていました。 

殺人通貨と呼ばれる英国ポンドが大暴落する、まさに歴史的な日です。 

FXを始めたといっても、まだデモトレードを少し試した程度。 

「イギリスが EU離脱を決定した」「離脱決定で当時のキャメロン首相が辞任した」というところまではニュースで聞いていました。 

経済ニュースは好きなので必ずチェックはしていました。 しかし、

「英国 EU 離脱 = ポンドが大変動する可能性がある」

というところまでは思いが及んで[およんで]
「及んで」は「およぶ」の活用形
影響などが、広がってとどく
いませんでした。 

FX トレードをしているのに、そこが直結していなかったんです。 

そんな危ない日だということが頭から抜け落ちた状態で、ただ、『このチャートの形が出たら下がるの !』という薄っぺらな分析だけで英国ポンド日本円をショートしました。 

そのわずか数分後。 ポンド円の通貨ペアは「え ぅ」と思う暇もなく下へ、とても長い陰線を伸ばして行きます。 

「何……これ ?」

図1-1 は、2016年 6月 23日の国民投票の結果、ブレグジット決定が判明した 6月 24日前後のポンド円の日足チャート。 

上ヒゲの頂点の 1ポンド 160円台から下ヒゲ最底端の 133円台まで、1日で実に 約27円も 大暴落しています。 

図1-1 2016年 6月 24日ブプレグジット決定前後のポンド円の日足チャート

図1-1

図1-2: リオンの守り神「ビビリオン」とは?

タイムマシンで戻れるなら、当時の自分を殴ってでも止めたいと思うほど、自分のトレードの「No.1 恥履歴[はじりれき]」です。 

分かっていたなら良いんです。 でもそうじゃない。 

『そんなつもりじゃなかった……』

『落ちる形』とは思った。 そう思ったからエントリーしたんだけど、こんなことが起きるとは思っていなかった。 

問題はここです。 

初めてのリアルトレードであるにもかかわらず、10万通貨 ( 約 1500万円 ) でエントリーした。 

「こんな日」だと「知らずに」。 

当時はまだ国内の FX会社で取引していました。 国内最大レバレッジの 25倍でポンド円 10万通貨のポジションを持つには 70万円近い証拠金が必要でした。 

そのため、100万円を追加入金してわざわざ口座の証拠金を瞬時に増やしてまで、そんな大それた取引を?

そんなつもりじゃなかった? 何を言っているの?

結果は、ほんの数秒で 16万円ほどのプラスになりました。 

『(あ……‥これ、 多分危ないやつだ……)』

やっと我に返り、慌てて利益確定しました。 

16万円という利益を見たリオンは急に心臓がバクバクして、吐き気[はきげ]をもよおし、背中からは冷や汗がどっと流れ出していました。 

「もしロングで入っていたら……」

ビギナーズラックの喜びよりも、FX 初心者の自分が 10万通貸もの取引を行ってしまったことに我ながら衛撃を感じました。 

恐怖に凍りつく自分がそこにいました。 

『ダメだ、こんなことしてちゃダメだ。 一瞬で儲かるなら、一瞬で損するはずだ……

そう感じた私は、その場でポンド円ショートの利益 16万円も含めた証拠金 116万円を全額、出金しました。 



1-02_【FX】コツコツドカン病にかからないリオンの性格

私は今でも基本的には無茶は決してしない、慎重派[しんちょうは]です。 

単に怖がり、なんだと思います。 

この性格が FX取引では良いほうに作用しました。 

もし強気な性格なら、絶対に「今度はポンド円の上昇に 20万通貨❕」とトレードを繰り返して、その結果、たまたま得た 16 万円の利益だけでなく、

何年もかかって貯めた 100 万円を (当時の貯金のほぼ全額です。 あの入金がいかに無茶であるかが分かって頂けるかと)、さほど遠くない日に相場に献上[けんじょう]
奉ること。さしあげること。
헌상
していたと思います。 

FX トレードを始めるとほとんどの人が、「コツコツ勝ってドカンと損する」という「コツコツドカン病」を発症します。 

この病いの元凶は、コツコツ頑張って勝って行く過程で生まれる気の緩み[ゆるみ]
느슨한
や 過信、欲にあります。 歯車が少しでも狂って[くるって]
精神、考え、動作などが正常でなくなること。
大きな含み損[ふくみぞん]
現在所持しているFXやCFDのポジションを、市場のレートで計算した時、損失が出ている状態のこと
抱え[かかえ]
1.雇うこと。
2.年季をきめて抱えてある芸者・遊女。
안아
[かかえた]
自分が責任を負い面倒を見るものとして持つ。
안다
時、

「今までの儲けを失いたくない」「失った損失を少しでも取り戻したい」という悔しさや未練が心の中に充満[じゅうまん]
ある空間的な範囲に、いっぱいに満ちること。
책임
し、なかなか損切りに踏み切れず、回復不能なほどドカンと損してしまう。 

私はたまたま「一瞬で儲かるなら一瞬で損することもあるはず」と、ビギナーズラックですら素直に喜べない、妙なところで、クールで他がりの性格で、それが今までのところ、トレードをする上で吉と出て、ドカンを防いで[ふせいで]
好ましくないことが起こらないようにする。
きました。 

では、どんな方が「コツコツドカン」になりやすいのか?

仕事もソツなくこなし、学生時代は優等生だった人、特に、今まであまり大きな挫折がなかった人だそうです。 

プライドが高過ぎるゆえに失敗を認められず、損切りが出来ないんです。 

1 回だって負けたくない。 優等生ゆえに負けが恥ずかしくて誰も見ていないのに隠そうとします。 

損切りを延ばし続けて助かってしまえば、含み損[ふくみぞん]
現在所持しているFXやCFDのポジションを、市場のレートで計算した時、損失が出ている状態のこと
抱え[かかえ]
1.雇うこと。
2.年季をきめて抱えてある芸者・遊女。
안아
た事実さえもなかったことに出来ますから。 

実際、戻るまでの期間を問わなければ、7 割くらいの確率で助かってしまうんですよね。 でも、問題は残りの 3割に当たった時。 

英ポンド系の通貨ペアは時に 1日で 600 pips、一方向に進むことも普通に起こります。 そうなると口座が持ちません。 恐らく心も。 

今までのところ途轍もない[とてつもない]
全く道理に合わない、とんでもない、きわめて図抜けている、 並外れている。
ドカンはせずに済んではいますが、私も実は挫折をほとんど知らないタイプで、人より少し賢いと思っていて、今まで何でもある程度は出来て、 周りから 褒められて[ほめられて] 育った、中途半端な秀才[しゅうさい]
수재
です。 

そんな私が人生で初めて、どんなに頑張っても思い通りにならずにボコボコにされたのが FX。 

でも……。 

私たち、努力が出来る日本人、特に親や学校の期待を背負って真面目に頑張って来たをタイプは人生初の挫折でどんなに踏みつけられても、そのことをバネに一層高く跳べるんです。 

だてに『秀才』と呼ばれて来たわけではないので、コツを掴んだら[つかんだら]早いのもこの属性の人達です。 

今までの人生を真面目に生きて来なかったと思ってしまう方は、今この瞬間から今後の人生を「絶対に変える」と決意して進んで行きましょう。 大事な人のために。 

FX なら、少額の資金でも、自分の努力次第で夢は叶います。 



1-03_【FX】トレーダーの守り神「ビビリオン」

リオンの心の中には、「ビビリオン」( 図1-2 ) という不思議な妖精[ようせい]棲んで[すんで]いて、良くも悪くも、様々なブレーキをかけて来ます。 

『ここで…… 10万通貨じゃなくて 100万通貨なら、利益は 100万円 !』と定期的に暴走しようとする私を、彼女は何度も止めてくれました。 

皆さんも是非、ぬいぐるみでも好きな方の写真でも何でも良いので『ダメだよ。 何しようとしてるの?』と 諫めて[いさめて]
「諫める」は、「誤りやよくないところを改めるよう注意する」という意味ですが、問題は「誰が誰に言うか」です。 目上の人が目下の者を注意すること、と思っている人が多いですが、実は逆で、目下が目上に対して言う場合に使います。
くれる存在をそばに置いてみてください。 

ビビリオン

図1-2: リオンの守り神「ビビリオン」とは?

養分のほとんどが疑心暗息で出来ている不思議の国の妖精。 

普段はリオンの中に棲んでおり姿や詳しい生態は不明だが、戦闘能力は極めて低い。 

一方、生存本能は異様に高い。 強くはないが決して死なない



1-04_【FX】驚異的な勝率の低さは優等生気質のせい?

FXを始めてから 2年以上、私は全く勝てませんでした。 

勝率は 2~3割程度。 

『私、一生勝てないんじゃ……』

きっと FX を始めたばかりの人は、もれなく「勝てなくて悶々[もんもん]
悩み苦しんでいる精神状態を表します。
とする日々」
を経験するはずです。 

FX を始めた当初、「誰が見てるの?」と思うくらい私がエントリーすれば相場は反対方向に進んで行きました。 

2~3 pips 勝つと利確。 10pips ぐらい負けると損切り。 その頃はそんな感じでした。 ちまちま勝つって、コツコツ負ける、というか……。 

しかも、ドカンと負けるのが人頂過ぎて、期待値の高い、ほぼ勝てそうな場面でも居えてエントリー出来ない。 

前述したように、小さい頃から私は「失敗を何より懲れる優等生タイプ」で、ネットの情報や FXの教科書から仕入れて来た知識を何でも使いこなそうとするものですから (自分なら使いこなせると思っている)、

一時期チャートにボリンジャーバンドや MACD など、たくさんのテクニカル指標を盛って[もって]しまい、一番大事なローソク足がよく見えないこともありました。 

『だって〇〇さんがこれで勝てるって言ってたもん!』

と、Twitter の知らない人を頼りにして (〇〇さんって誰だか思い出せないし、恐らく今は消息[しょうそく]人や物事の動静。なりゆきについての事情。
소식
不明)、しかも短期間でコロコロ頼る人や手法を変えるので、

何が役に立っていて、何が役に立っつていないのかが分からないまま、相変わらちずローソク足はリオンの想いとは反対へ進みます。 

それが勝率 2~3割という驚異的[きょういてき]
놀랄만큼
な低さを生みました。 

『ひょっとして、私が考えたことの逆をやり続ければ、勝率 8割になるのかな……』と自分でも思うぐらい。 

今なら分かりますが、うろ覚えで、使いこなせないテクニカル指標は 迷い[まよい]
망설임
を生むだけ
で何も良い作用はありません。 



1-05_【FX】成功のカギは『しないことを決める』

苦しくて辛い日々を過ごしていたある日、私はふと、

『これだけ乗っけてもダメなら、引いてみよう』 と思いつきます。 

なぜ、そう思ったのかは、はっきりとは思い出せないのですが、あまりに勝てないので混乱[こんらん]
혼란
していたんじゃないかと……。 

まずは、チャートから盛り過ぎ[もりすぎ] の テクニカル指標を全て消去して、ローソク足だけのチャートでエントリー。 

結果はやはり勝てませんでした。 さすがにローソク足だけを見ても何もヒントはもらえない。 

でも後になって、『ローソク足だけのチャートも環境認識にはあり』と思えるようになったので、皆さんもたまには是非、真っさらなローソク足だけのチャートも見るようにしてください。 

その次はローソク足に、自分でサポートラインやレジスタンスラインを引いたチャートでトライしました。 

ローソク足だけよりは何となく……。 

SimpleToRionChart

図1-3: シンプルチャートからRionチャートまで(4時間足チャートの場合)

でも、やっぱり決め手に欠けてしまって、怖くてエントリー出来ない。 この時点ではまだ圧倒的に記憶の蓄積[ちくせき]
축적
[ちくせき]たくわえていくこと。たくわえたもの。また、たまること。
축적
が足りていないので何が正しいのかの判断が出来なかったんだと思います (図1-3 の4時間足チャート参照)。 

そこで、チャートフォームをどうこう判断する前に、ちょっと視点を変えて、自分を分析してみようかな、と。 

いくら何でも全てのトレードで負けているわけではないので、今まで2年間の数少ない勝ちの中で、『勝てた理由を自分できちんと説明できるもの』を探す。 この作業を行いました。 

すると、ひとつの「自分データ」が浮かび上がりました。 それは、

『ある期間の移動平均線 (具体的には 5分足チャートの移動平均線の組み合わせと位置) がこの形になった時にこう動く、と予想して行ったトレードでは何度も勝てている』

という事実でした。 

『移動平均線がこれこれこういう形になると、今後の値動きが何となく分かる。 

恐怖 や 不安を感じることなく、心地[ここち]
기분
よくエントリー出来て、勝てている? だったら、移動平均線がその形になった時だけに絞って取引すれば良いんじゃない?』

今思えば、当たり前のことが脳に舞い降り[まいおい]舞いながらおりる、ふわりとおりる、まいくだるという意味
내려앉다
ました。 

『足してもダメだったから引いてみた』

リオンの FX スキル が 少しだけ向上し始めた瞬間です。 

この時の「移動平均線がこういう組み合わせ」というのが今も変わらずに信じている、私の『Rion チャート』におけるエントリーポイントです。 



1-06_【FX】通貸ペアをひとつに絞って気づいた自分自身の変化

ネットにこれだけ多数の情報が溢れて[あふれて]、様々な媒体[ばいたい]
매체
から、たくさんの『必勝法』が耳に入ってしまう現代では、

「引く」、「しない」、「絞る[しぼる]」 作業 は 意外と苦しいかもしれません。 

でも、そこを踏ん張って[ふんばって]
気力を出してこらえる。 がまんする。 がんばる。
様々な雑音[ざつおん]
잡음
を 1回シャットアウトして、『取引する通貨ペアをひとつに絞ってみる』事をおすすめします。 

手法を 1個にしよう、と決めたその後、私は『今勝てていないくせに、あっちもこっちも見て。 

それって意味があるの ?』という点を深く掘り下げ[ほりさげ]
「1つのことを深く究明する」
「詳しく調べること」
、取引する通貨ペアを過去に勝率が一番高かった ポンドオージー(GBPAUD)だけに絞ることにしました。 

ポンド円にも最後まで心惹かれ[こころひかれ]
① それとなく相手の心をためす。 気を引く。
② 興味をひく。 関心を持つ。
ました(イギリスのブレグジットの時のビギナーズラックもあったので)。 

だけど、実際の恋愛と同じで、二兎[にと]
두토끼
を追う者は両方にフラれるはず。 だから、まずはひとつだけで良い。 

『今後、あなただけを追いかけ、見つめて行くことにしました。 よろしくお願いします、王子さま』 心の中でそう呟いて[つぶやいて]、私は『ポンド王子 (AUD)』と生きて行くと決めました。 

『ああ! 見ていないうちに ポンドオージー(GBPAUD)が落ちた !』

『TYO(東京)時間に入って窓 (チャート上のローソク足とローソク足の間に出来た空白) を開けて、 ポンドオージー(GBPAUD)が上がった!』

そんな観察[かんさつ]
관찰
を続けるうちに、自分の中に湧き上がる[わきあがる]
心の中にいっぱいになって外へ出てくる
『もうひとつの感覚』に目覚めました。 

それは、『あれ ? 私って、 ポンドオージー(GBPAUD)がどれだけ上がっても全和然悔しいと思わない。 『悔しい』って感じるのは落ちた時だけなんだ』

という感情の差でした。 

どちらも期待値やチャンスロスという点では変わらないのに。 

『ということは、ショートだけに絞って、 ポンドオージー(GBPAUD)が落ちたところだけ利益に出来れば、気が済むんじゃないかな』

『思い切って……ロングやめてみようかな』 こうして自分大改革[かいかく]、英語: reform
개혁
は進んで行きました。 



1-07_【FX】ショート専科で値動きがよく見えるように

『ロング、ショートのどちらか一方に絞るのって、みすみすチャンスを半分逃しているようなもんじゃない ?』というご意見はよく分かります。 

ロング、ショートどちらでもフラットに見ることが出来る、 器用[きよう]
物事、特に細かい仕事をうまくやってのけること。
芸事・工作などをうまくこなすこと
[きよう]
악기
特に細かい仕事をうまくやってのけること。
な方なら、足非、二刀流を目指してください。 

偉大なる成功例、大谷翔平選手は日本の誇り (私も大ファンです)。 

でも、誰もがあのようになれるわけではないですよね。 だからこその偉業ですよね。 

あまりの勝てなさ具合に拒食症[きょしょくしょう]
거식증
になるほど、追い詰められたことを無駄[むだ]にしないように。 わずかだけど見えた光は逃したくない。 

だから私は、あえてロングでエントリーするチャンスを捨てました。 

というのも、勝率 3割の元凶[げんきょう]
悪者のかしら。悪い事をする者の中心人物。また、悪の根源。
원흉
になっているのがロングでの取引
だったからです。 

勝ち 3割以下、負け 7割以上の中で、ロングの負けが占める割合が大きいこと。 

自分の過去のトレードデータには、その傾向[けいこう]
ある方向・態度に傾くこと。傾き[かたむき]
기울기
。特に、左翼思想に傾くこと。
추세
が出ていました。 

一方で、ショートだけで計算すると勝率は 6割超。 

『私が ポンドオージー(GBPAUD)の下落だけを異常に悔しがってしまうのは、その下落がチャンスだと感じているからなんだ』

ここに気づけたのは大きな発見だったと思います。 

現在のレートがこれから上がるか下がるかの確率は、ロングでもショートでも同じ 50%のはずです。 

ただ、これは私だけの感覚なのですが、ザーッと下がる時のチャートと、上にグイグイ上がって行く時のチャートでは『高揚感』に差があるんです。 

利益に出来る値幅は同じだとしても『ここ、獲りたい』度合い[どあい]
性質や状態の深浅・濃淡・強弱・高低・優劣などをはかってみて、
そこに表出される結果。 程度。
が全然違う。 

『もういい。 ロングエントリーしなくて』

最初のうちは分かりやすい上昇が続いている時にエントリーしないことに、多少の苦しさはありました。 でも意外に慣れるのも早かったです。 そもそもロングが苦手なので、なかなか勝てないですし。 

『私って、それまで本当に闇雲[やみくも]
めくらめっぽう。むやみ。
어둠
[やみくも]
めくらめっぽう。むやみ。
어둠
に、ロングでもショートでもエントリーしていたんだ……何のルールも持たずに……』

このことをもっと早く、深刻に考えるべきでした。 まだ安定して勝てていないくせに、どっちも獲ろうなんておこがましい身の程しらずだ。差し出がましい。
어리석은
。 

『何で? どうして買っても売ってもダメなの !』と震え[ふるえ]
① ゆれ動く。 震動する。
② 恐怖、寒さ、緊張などで身体や声が小きざみに動く。わななく。
ることもなくなりました。 

『ロングでもショートでも勝てない』ではなく『ショートで負けるか勝つか』になったので悔しさが 50% オフ

になったというか。 

ロングを捨てると、ローソク足が上に向かって勢いよくどんどん伸びている時は静観[せいかん]
(自分は行動しないで)成行きを静かに見守ること。
정관
する』
ことになり、こ

れを徹底したことで『ローソク足の動きを見るだけの時間』が発生しました。 

ある程度、相場を経験して行くと、この静観[せいかん]
(自分は行動しないで)成行きを静かに見守ること。
정관
タイムを持つ重要性が分かってきます。 

FXでは何も考えずに持ったポジションでも、時々パッと勝ててしまいます。 

それが脳に甘い記憶として無意識レベルで残ってしまい、誰もが一度は高確率でトレード中毒になります。 どんな小さな値動きにも反応して、我慢[がまん]
辛い事を耐え忍ぶこと
인내
できずにエントリーしてしまう。 

チャンスでも何でもない場面でも安易[あんい]
努力しないでも、わけなく出来ること。たやすいこと。
안이
にエントリーして、『ドカンと損する』は避けられたとしても、トレード頻度が増えると、小さい負けトレードが増えて行きます。 

それを防ぎ、[きず]
상처
[むきず]
온전한
のまま FX の経験と知識をぐっと高めてくれるのが『トレードしないで値動きをじっくり観察[かんさつ]
관찰
するだけの時間』です。 

あの時、ショートかロングかの二者択一でショートを選んだこと自体は、その後のリオンの成功にあまり関係はなかったと思います。 ショートのほうが勝ちやすい、ということではありませんので、お好きなほうで大丈夫です。 

ショートの取引しかしなくなったことで、静観[せいかん]
(自分は行動しないで)成行きを静かに見守ること。
정관
タイムが生まれた
こと。 それがリオンのトレードスキル向上に大きく貢献[こうけん]
기여
してくれました。 



1-08_【FX】映画のように値動きの起承転結をただ見る

通貨ペアを絞るのは、通貸ペアごとで値動きに微妙な差があるから。 ショートかロングかを絞るのは、絞ることで、何もしない観察[かんさつ]
관찰
タイムが生まれ、 値動きに対する感覚を研ぎ澄ます[とぎすます] ことが出来るから。 

なぜ上手く行かないのか分からないまま、2年間負け続けた私はここで一度立ち止まることが出来ました。 

上昇している相場が天井圏に達した後、様子が変わり、急落へ向かう動きを観察[かんさつ]
관찰
する時間。 

好きな映画を何度も見るような感覚で、上昇局面は、まだ映画が始まったばかり。 そこから事件が起きて、様々な伏線[ふくせん]
복선
張り巡らされ[はりめぐらされ]
もれなく張る。 はりまわす。 比喩的に、目に見えないものについてもいう。
、物語のテンションは上がっていきます。 

そして、最後に大 崩れ[くずれ]
무너지는
が起こって、映画は一挙[いっきょ]
物事をいちどきにやること。
일거
にクライマックスの「急落」へ!

上昇局面は起承転結[きしょうてんけつ]
文章や話、物事の順序や展開、構想などを「起」「承」「転」「結」の4つのパートで構成する手法
기승전결
の起承の部分で、その後に「転結 = 下落局面」が来る。 そう考えると、上昇局面もクライマックスの下げに向かう助走[じょそう]
陸上・体操競技で、勢いをつけるために、跳躍・投擲(とうてき)する所まで走ること。
期間。 

上昇がピークに達したところで出現する「頂点からの反転と上ヒゲハント」。 

私の一番好きなパターンを静かに待てるようになりました (図1-4)。 

「大きな時間足で確認できる明確なレジスタンスライン付近[ふきん]
부근
では、必ずフェイクの上げが1~2度発生する。 

壮大なストップロス狩りの上げが続いた後、複数の上ヒゲをつけて、初めて落ちて来る」

「ストップロス狩り」とは、ショーターが損切りのために入れた買い決済の損切り注文が発動する価格帯まで、

大口投資家がわざと相場を持ち上げて(上昇させて)、ストップロスの買い注文発動による上昇で偽けようとする動きです。 

「もしストップロス狩りの動きがなく、普通に落ちて来たら、まだ上があるのではないか、と疑う。 大口投資家がもう一度、相場を持ち上げて、狩り獲り切れなかったストップロスを狩って来る動きが出ない間は待ちに徹する

図1-4: リオン式「頂点からの反転と上ヒゲハント」とは?

上げ続ける状態から見つめているから、頂点が分かります。 

頂点が作られる時、大事なレジスタンス付近まで、どのような過程を経て上がって来たかで、その後の値動きは違ってきます。 

助走[じょそう]
陸上・体操競技で、勢いをつけるために、跳躍・投擲(とうてき)する所まで走ること。
の時から 見ていないと、変な位置でフライングしてしまうんです。 例えば、同じ上昇でも、

・ 大きめの陽線の連発で一気に上がって来る

・ 小さめの陽線だけの連続で上がって来る

・ 大きめの押し陰線 (上昇中に大きく下落する陰線) を交ぜながら[まぜながら] 乱高下[らんこうげ]
相場などが短期間のうちに激しく上下に動くことを意味します。
してゆっくり上がって来る

というようにパターンは様々です。 

図1-5 のチャートの中に示しましたので、その後、どうなっているかを比べてください。 

出来れば、リアルタイムの値動きを見て欲しいです。 

値動きの検証過程 (静観[せいかん]
(自分は行動しないで)成行きを静かに見守ること。
정관
タイム) にこそ深いストーリーと頂点を獲るためのヒントが詰まっているからです。 

そのうち「この上げはフェイクだ」と分かるようになって来ると、「頂点ハント」は全く怖いものではなくなり、獲れた時の「ここから入れる自分、凄い」感を体験して頂けると思います。 

図1-5: 上昇局面で頂点が作られるまでの過程とは?



1-09_【FX】フェイクもどきの失敗でも焦らず学習記憶を蓄積[ちくせき]
축적

小さく勝ち逃げたり、小さく負け逃げたりしながら、意外なくらい落ち着いた気持ちで、いつか来る本格的な下落を待つ。 

たとえフェイクもどきが起きて、そのまた後も、さらなるフェイクが現れたとしても『なるほど、そう来るのね』と記憶を蓄積[ちくせき]
축적
して、『置いて行かれちゃう !』と焦ることもなくなりました。 

ちなみに、このフェイクもどきもよく発生します。 

フェイクを利用してエントリーする 『フェイク狩り』を狙ってショートしたら、もう一段上がって切らされ、それから本格的に下落が始まるパターンです。 

ただ、『上がったものはいつか下がる、下がったものはいつか上がる』というのがレートの値動きの本質です。 

そして『それ』が起きるのは、かなり大きなクライマックスがあった後です。 

ショートだけに絞ることで、FX投資家達の読み合いを常に頭に置いてチャートを見るようになりました。 

負ければ、『次はそのパターンも組み込むから !』と次の戦いに向けて心を燃やし、勝てば物凄く悪い顔で微笑みます。 

一般的にトレーダーは感情をあまり出してはいけないと言われますが、私は勝てたら、ちゃんと喜びます。 

だって、実際『凄い』と思っているから。 勝つために頑張っているのですから、喜んで良いと思うのです。 

『私、今、世界一高いところで売れた、と思う。 多分』そう思えるナイストレードが出来た時はすぐに Twitter に画像を出します。 

『ここから入れるから。 次は狙ってみてください』というリオン式を『好きだ』と言ってくださる皆さんへのメッセージ。 

この瞬間のために日々、チャートを見続けているのです。 



1-10_【FX】リオンの成功体験に再現性はあるのか?

現在も私は ポンドオージー(GBPAUD)ショーターとして7~8割の高い勝率を残せています。 

『することではなく、しないことを決める』

大きな転機となったのは、やはりここだったと思います。 

ポンドオージー(GBPAUD)のショートに特化したトレードスタイルは、 他の通貨ペア、また ロング や 両建てなどでも通用するのかどうか?

恐らくですが、通貨ペアの癖を掴み[つかみ]
手で握ること、つかむこと
ながら、ショートだけでなく、ロングであっても、両建てであってもひとつずつ、順番になら、クリアして行けると思います。 

ただし、全部を一度にというのは、私には出来ません。 

私の持論[じろん]
지론
ですが、人間はそんなに 器用[きよう]
物事、特に細かい仕事をうまくやってのけること。
芸事・工作などをうまくこなすこと
じゃない。 

特に FXや株式など、値動きを自力でどうにか動かせるものではない世界では。 

取引通貨、エントリー方向、市場を絞ることは一見チャンスロスのように思えて、どうしても勝てなくてこんがらがったまま、何が悪いのかも分からず間違った方法で勝てないトレードを続けるよりも、ずっと早く、成功に近づくことが出来る近道です。 

現在、私は毎月平均 200 万円ほどの利益があることで時間的にも経済的にもゆとりを持って、以前は考えられなかったほど快適な日々を過ごしています。 

この時間を生んでくれたのは間違いなく『しないことを増やして絞り込んで[しぼりこんで]来たから』です。 

多分 『 ポンドオージー(GBPAUD)というマイナー通貨で、しかもショートだけに絞った取引には再現性がない』と思われる方のほうが多いかと思います。 

人が違えば 感覚も 嗜好[しこう]
선호
も 経験値も違うので、私のように ポンドオージー(GBPAUD)のショートだけ狙っても、結果は違うものになるかもしれません。 通貨ペアとの相性[あいしょう]もあります。 

時に ポンドオージー(GBPAUD)途轍[とてつ]
全く道理に合わない。 とんでもない。 また、きわめて図抜けている。
もなく 暴れます[あばれます]から、癖を掴むまでは難しい通貨ペアなので推奨[すいしょう]
추천
していません。 

TYO(東京)時間でも値幅が出るから、という理由で選んだのですが、2023年 1月時点では ドル円(USDJPY)が値幅の点では一番で、TYO(東京)時間でも非常に大きく動いています。 

ロングとショート、また、どの通貨ペアを選んだとしても、私がしてきた『しない』を増やし『ひとつのことに特化してそれを磨き抜く[みがきぬく]こと』以上に勝ちへの近道はないと思っています。 

私と全く同じ『ショートオンリー・ヒゲ狙い』でなくても、『ローソク足が移動平均線を割り込んだ後の戻り売り』や『下落相場の最終局面で、買い手のストップロス狩り (損切りの売り決済) でもう一段下げた後の反転ロング』など、何でも自分が好きだ、と思えるもの。 

まずは、それをひとつ、見つけてください。 

今、『勝てていない』という事実から目をそらさずに。 

勝てるようになってから、得意科目を増やして行けば良いのですから、慌て[あわて]ないで。 

私もいつかきっと、安値を割り込んだ後にショーターの利確を見届けて[みとどけて]、超底値[そこね]
바닥값
園でロングする手法でも勝てるようになりますから。